ちかちーの旅log!

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SP.1-2 18きっぷ利用指南(実践篇)

・今回は18きっぷの実際の利用方法を説明しています。必要に応じてSP.1-1「理論篇」も参照してください。

  

さて、今回は実際に利用するに当たってのコツなどを説明していきます。まずはプラン立ての段階から。

 

・実際にどの程度乗れば得をしたことになるの?

片道だと幹線の場合141km以上。*1時間にして約3時間が目安になる。*2

往復だと同じく幹線の場合70km以上。*3

ここであえて幹線と注釈を付けたが、JRの路線では幹線と地方交通線の2種類に分かれていて、地方交通線を組み入れる場合はもう少し距離が短くなる。ちなみに紙の時刻表では幹線は黒、地方交通線は青と分けられている。

なお18きっぷには途中下車の制限はない*4ため、比較的近距離で途中下車を繰り返すぶらり旅のような場合、この限りではない。これについては事前に乗り換えアプリ等で確認されることをお勧めする。

もちろんトータルで11850円乗ることを考慮したプラン立てでも何ら問題はない。

 

・どの程度プランを立てておくべきか?

少なくとも全体を見通したうえで、時間のロスを減らすため本数の少ない(≒運行間隔の長い)区間は「この列車に乗る」ということを前提としたプランは立てるべきだろう。

この上でメモ帳アプリ(電池切れ等の可能性を考慮すれば紙媒体が理想)にざっくりとでも行程をまとめておくことをお勧めする。

もちろん事前に全行程を決めてもよいが(特に長距離、長時間の移動の場合)、運休や運転見合わせ等の事態が発生した際のバックアップは確認しておきたい。

 

・必要なら別料金を使い「時間を買う」

特に九州、北海道内は特急列車の運行が多く、区間によっては普通列車より特急列車のほうが多く運行されている区間すらある。この場合無理に次の普通列車を待つよりも、あえて乗車券と特急券を購入してワープすることも検討されたい。

これは特急列車に限らず、私鉄を使ったり新幹線を使ったり*5、はたまた鉄道以外の交通手段に頼ることも場所によっては有効である。鉄道以外の交通手段に頼る例は局所的であるため、最も有効な例を紹介する。

「鉄道以外の交通手段に頼る」ことでの最も有効な例として青森~函館間が挙げられる。理論篇で紹介した北海道新幹線のオプション券は重大な問題として「そもそも北海道新幹線普通列車との接続が考慮されていない上、特に在来線側の本数が少ない」というのがある。そのためむしろオプション券を購入するより、青森~函館間のフェリーを使用するほうが時間的に(さらには金銭的にも)得をすることが多い。さらに深夜便もあることから宿代わりにもなり、体力が許せば翌朝から有効に移動することも可能である。これ以外にも有効例はあるが、各自プランを立てる上で調べてほしい。

 

・夜行列車はどの程度有効なのか?

現在運行されている夜行列車は2本。どちらも18きっぷの使用期間内のさらに一部に限られているため、運転日に注意。また全車指定席であり520円が必要で、その指定券もかなり取りづらいことにも留意されたい。

 

ムーンライトながら

東京23:10→大垣5:50

大垣22:49→東京5:05

下り:大垣から先に進んだ場合、中四国の主要駅はもちろんのこと九州北部の主要駅にもその日のうちに到達可能である。*6始発まで多少の時間はあるが名古屋や岐阜で下車しそれぞれ長野・津方面、富山方面に向かい午前中の到達も可能だ。

上り:別料金を駆使すれば東北のほぼ全域が1日での到達圏内。中四国、九州北部から一気に北上することができる。

 

ムーンライト信州81号

新宿23:54→白馬5:40(逆方面の設定はありません)

 

運行区間や途中駅の停車時刻の関係でやや使いづらいが、北陸・信越の主要駅を午前中に到着したい場合に有効。ただ北陸新幹線の開業でJR管轄の路線でなくなった区間も多いため、520円+αの出費が必要になる。

 

どちらも古いタイプの車両を使用するため乗り心地はさほどよくなく、防犯上の観点から消灯されないため、「寝て移動」することは難しいかもしれない。アイマスクなどを用意しておくのも手である。また車内販売や途中駅ホームでの販売はない。

不便と言えば不便ではあるのだが、有効活用すれば深夜の時間も移動しつつ宿代をかなり浮かせるため、場合によっては検討に値すると言える。

 

以下は実際に使用する場合。

まず、最大の注意事項を。

 

18きっぷは、自動改札に通せません。必ず有人の改札を通り、スタンプを捺してもらってください。(複数人で利用する場合はメンバーが揃ってから「○人です」と伝えてください)*7

 

基本的にきちんと失くさないようにし、もし検札があれば見せれば大丈夫である。

ちなみに下車の際は駅員等に見せるだけであり、特にハンコなどは捺されない。その日2回目以降の乗車も見せるだけである。

 

事前に用意したプラン表に限らず、不測の事態に備えてできれば時刻表も持っていくことを勧めたい。(無理であれば乗り換えアプリをいれた電子機器を用意し、モバイルバッテリー等を用意して使用できない状況を避けるようにしたい。なお電波が入らないなどといったことがあれば…ご愁傷様です)遅延や運休等があった場合、振替乗車については場合によるため駅員に確認するとよいだろう。18きっぷでは乗れない場合に備えある程度の現金(目安としてその日の目的地から出発地に戻れるだけの所持金)を持っておきたい。

 

 

18きっぷはある程度の不便さはありますが、特性を理解し事前に準備をしておけば非常に使い勝手の良いフリーきっぷです。この夏、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

 質問などがあればコメント欄で受け付けます。気軽にどうぞ。

*1:この距離での通常運賃は2590円。

*2:もちろん行程や路線によって大きな差が出るため一つの参考までに。

*3:片道通常運賃は1320円。

*4:通常の乗車券では片道100km未満の乗車券での途中下車はできない

*5:新幹線は原則隣の駅までの自由席の料金を安く設定している

*6:乗る前の移動を組み合わせると、青森~八代(熊本県)を5260円で走破可能。なお40時間以上の移動を要する。

*7:無人駅から利用する場合は乗車時に車掌または運転手に捺してもらってください

SP.1-1 18きっぷ利用指南(理論篇)

実に約3か月ぶりの投稿ですね、お久しぶりです。

 

もうすぐ夏休みですね。*1この夏の帰省や旅行などに青春18きっぷ(以下,18きっぷ)を使われる方もいるかもしれません。知名度はとても高いのですが、今一つ使い方が分からないという方、使っても誤った使い方により損をしてしまう方を時折耳にします。

そこで今回は2回にわたり、18きっぷの使い方について説明したいと思います。少々長いですが、この記事を読まれた方の参考になっていただければ幸いです。

*1:ブログと連携しているTwitterのフォロワーに大学生が多いことを考慮し、この時期に投稿します。既に7/20より使用可能となっています。

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No.6 弾丸東京旅行(2012/5/3)

お久しぶりです。春休みは特にネタになるようなのは収集できず(復活したJR可部線区間には乗ってきましたが)、しばらく投稿を一時的に止めていました。そしてまた今回もまた古いネタですみません…

 

今回も18きっぷではなく、これまでに3回しか使ったことない夜行列車の乗車録である。*1

一応目的は夜行列車に乗るのではなくちゃんと東京に用があったわけだが、それはこのブログの趣旨から外れるので以下に白伏字で書く。

目的は秋葉原でのAKB48公演と東京ドームシティでのリバイバル公演に行くためである。しかしリバイバル公演の終演は21:00ごろと最終の新幹線や飛行機には間に合わないため、夜行で帰るほかない。バスでの帰広の予定だったが、奇跡的に夜行列車に空きがあったためそれでの帰広となった次第である。ちなみに私の中ではAKBファンだった自分は半ば黒歴史と化している。

 

7:49広島発の新幹線で東京へ向かう。新幹線は「ハレ」の乗り物だと思う。乗る機会を数えてみたがまだ両手両足の指の数にも満たないからだろうか。もっとも旅情のかけらもない武骨で無機質なものではあるのだが…*2

ところで、10分おきに1000人以上乗った列車がほとんどダイヤの狂いもなく運行されていく姿は、列車の遅れに寛容(?)な外国人からしてみれば驚異的なものだろう。*3しかもこうした列車は海外では飛行機に搭乗するような厳重なボディーチェックを受けなければならないことも多く、そうした手続きが不要でありながらもほとんど死亡事故や事件がない日本の新幹線にまた驚愕するそうだ。

11:53東京着。日本でも指折りの複雑さを持つターミナル駅だ。しかし最近は*4上野東京ラインターミナル駅の開通で通過駅の様相を呈してきたと。時代の移り変わりとはいえ、首都の駅がこうなるのは少し奇妙な気がする。

 

用事を済ませたので東京へ。今回乗車するのはサンライズ瀬戸・出雲だ。東京~高松・出雲市を結ぶ現在唯一残る定期夜行列車である。これで岡山まで乗車する。東京滞在時間、約10時間で離脱だ。

東京22:00→岡山6:27 5031M

サンライズにはいくつかの席タイプがある。寝台はすべて個室でA寝台のシングルデラックス、B寝台のソロ、シングル、シングルツイン、サンライズツイン、さらにノビノビ座席だ。今回はノビノビ座席に乗車する。

さてノビノビ座席とは、名前の通りカーペットが敷いてある横になれる席(?)だ。寝台ではないため*5寝台料金不要である。*6また毛布が用意されている。仕切りは一部にしかなくほとんど雑魚寝のため、かつての2段式B寝台を寝台料金なしで乗れるようにしたという表現が正しいかもしれない。事実ノビノビ座席は2段である。今回は下段だが、天井は低く胡坐をかくと頭がぶつかる。

定刻に東京を出発。両隣は空いているが満席とのことなので途中でいずれ埋まるのだろう。とはいえ隣の席からの読書灯が眩しく、寝づらいかもしれない。

23:00頃通過した小田原のあたりで寝ようとしたが、左隣はまだ乗ってきていない。やっぱり眩しいので寝れない。しかしそのうち寝ついたようだ。

はっと目が覚めたが、時刻はまだ4:30前だ。どこだろうかと外を見ていると、大阪の手前のようである。2度寝してしまうと乗り過ごした時のダメージが大きいのでぼんやり外を見ながら岡山着を待つ。結局左隣に人は乗ってこなかった。しかし案外寝れるものである。

神戸を過ぎたあたりで空が白み始めた。夜明け前の須磨~舞子の綺麗な車窓を見やり、135度子午線を通過*7し、明け方の播磨路を走る。

6:27、岡山着。ここで高松行きのサンライズ瀬戸出雲市行きのサンライズ出雲に分割される。

分割を見終わり、朝食を購入して各駅停車を待つ。

岡山6:57→広島9:56

大抵岡山から広島方面に向かう場合、三原か糸崎で乗り換えることになる。しかしこの列車は岩国まで直通で、疲れた身にはかなりありがたい。車窓をぼんやり見ていたがやはり眠いものは眠い。よりにもよって広島市内に入った瀬野で寝落ちしてしまったが、どうにか広島到着の直前に目が覚めた。危うく寝過ごしてしまうところだった。

26時間で東京までの弾丸旅行を終えたが、正直かなり疲れた。帰宅してからしばらく昼寝したのはある意味当然の流れである。

*1:今回は2回目です。1回目はNo.5参照。3回目も取り上げたいものです

*2:念のために言いますが新幹線をdisっているわけではありません

*3:一般に5分遅れは遅れとみなさない国が多く、国際列車のような長距離列車は15分遅れでも定刻とみなされることもある

*4:この時は未開通

*5:きっぷでの扱いは指定席

*6:東京~岡山 B寝台ソロ…17200円、ノビノビ座席…14240円

*7:JRと並行している山陽電鉄人丸前駅はホームを子午線が通っている

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No.5 (たぶん)人生最初で最後の体験(2009/1/2~1/3)

※残念ながら私の手元に画像が残っていないため、この記事は各種インターネットから拾ってきた画像を利用しています。

 

唐突にまた随分と前のネタを持ち出してきた…と思われるかもしれないが今回はおそらく今後二度と体験できないであろうことを取り上げる。決してネタ切れになったわけではない

 

皆さんも一度は「ブルートレイン」なる言葉を聞いたことがあるだろう。かつては日本各地で運行されていた、機関車に青い客車を繋いだ寝台列車の愛称である。*1しかし昨今の交通機関の発達、特に夜行バスの台頭によって料金にどうしてもハンディを受ける夜行列車は1990年代以降徐々に減少し、現在の定期列車は東京~高松・出雲市の「サンライズ瀬戸・出雲」のわずか1往復のみとなり、臨時列車を含めても夜行快速列車が1.5往復*2、あとはクルーズトレインの「ななつ星」だけであり、ブルートレインは2015年の「北斗星」を最後に運行されていない。*3*4*5

 

この日乗車したのは、東京~九州の寝台特急では最後まで運行されていた「富士・はやぶさ」である。両列車ともかつては24時間前後の長時間をかけて東京~西鹿児島*6を結んでいたが*7、利用客の減少や車両運用の合理化などの理由により短編成化、区間の短縮などが行われ、2005年からは熊本行きの「はやぶさ」、大分行きの「富士」として東京~門司間は併結して運行されていた。

 

既に東京発では唯一のブルートレインであり、廃止が予告されていたことから*8、東京駅は多くの人だかりだった。私もブルートレインを駅のホームで見るのは、広島駅で見た「あさかぜ」のラストラン*9以来である。*10

 

東京18:03→広島5:21 1「富士・はやぶさ

今回乗るのはB寝台…といっても一般にブルートレインで連想される1枚目の画像*11ではなく、2枚目の「ソロ」である。個室でありながら価格は開放式と同等で、なおかつプライバシー保護の観点からも優れているので、利用客にとってはお得なタイプだ。

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         f:id:jub7le8ep:20170303144059j:plain

当時私は小学生、また千葉の父の実家から帰るため母と乗っている。母はA寝台個室「シングルデラックス」である。

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…一応(シングルデラックスは短時間だが)比べた感想では、天井が低いとはいえソロのほうが居住性がよさそうなのは気のせいだろうか。*12特にソロは1階と2階が互い違いになっている構造で、私の部屋は2階だったためレールから遠かったからかもしれない。*13

 

さて部屋には寝間着とタオルが置いてあり、タオルは「富士」「はやぶさ」そして既になき*14「さくら」のヘッドマークがデザインされたもの、寝間着はJRをデフォルメしたものとなっていた。

車掌の検札も終わったが、まだ寝るには早い。しかしこの列車には食堂車はおろか寝台車以外は自販機以外、特に何もない。やることがないので眠くなるまで車窓を眺めつつDSでもしよう。もったいない…

 22:47発の名古屋、さらに23:30ごろ運転停車*15米原までは起きていたと記憶しているが、そのあとは眠りについたと思われる。

5時過ぎ、検札に来た時に車掌に言っていた通り起こしに来た。米原以降は熟睡していたのだろう。外はまだ真っ暗だ。

定刻に広島着。駅のアナウンスの「次の停車駅は、岩国です。」というのが新鮮だった。*16

おそらくもう本来の目的をもってブルートレインが走ることはないだろう。悲しいが時代の流れである。

*1:決して夜行列車=ブルートレインではないことに留意されたい。電車に寝台を据え付けた電車寝台列車も多数運行されていたし、そもそも寝台車のない夜行列車も多数あった。また現在唯一の定期夜行列車である「サンライズ瀬戸・出雲」は電車によって運行されているのでブルートレインではない。

*2:東京~大垣の「ムーンライトながら」、新宿→白馬の「ムーンライト信州91号」

*3:ただ、「北斗星」は豪華な設備を持つ寝台列車であったため、一部の人は2014年に運転を終了した「あけぼの」を最後とする意見もあるようだ

*4:2016年に運行廃止となった「カシオペア」は青い客車で運行されていないのでブルートレインではない

*5:リバイバルトレインやクルーズトレインとしての運行は一応あるが…

*6:現・鹿児島中央

*7:はやぶさ」は鹿児島本線経由、「富士」は日豊本線経由

*8:2009年3月廃止

*9:2005年

*10:広島の実家のリビングの窓から少しだがJRの線路が見えていたので、特に幼いころは窓に張り付いたり近所の踏切に行って通るのを待ったりしたものである

*11:開放型2段式

*12:A寝台はグリーン車、B寝台は普通車に相当するのだが…

*13:また母曰く「デッキで夜中までファンが大声で話していてなかなか寝れなかった」そうだが…こっちはそんなことはなく静かだった

*14:2005年廃止

*15:運行の都合上停車するが、ドアを開けず客の乗り降りはしないこと

*16:当時のダイヤでは唯一の「次の停車駅は、横川です」ではない列車である

No.4 和田岬線プチトリップ(2016/10/9)

※(2/27追記)画像添付ミスがあったため、再投稿しました。合わせて一部文章を編集しています。

※今回は短めです。

 

今回は近所にありながら、乗るのには難関ともいえる路線の乗車記を取り上げてみる。

山陽本線和田岬支線、いわゆる和田岬線山陽本線兵庫駅から1駅、距離にして2.7kmという短い路線だ。沿線は工業地帯で、沿線の工場への通勤者の足となっている。また川崎重工専用線も分岐していて、完成したばかりの車両はここを通って神戸貨物ターミナル駅*1に輸送されてから各地へと運ばれる。

しかし逆に言えばそれ以外の需要は皆無に等しいため、運行ダイヤも特殊な形態になっている。この日は日曜日、つまり朝夕に1往復しか運行はない。

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16:38兵庫着の各駅停車で和田岬線乗り換え口に行ってみると、どうやらまだ改札は開いていないらしい。仕方がないのでホームの待合室で待つ。外で待つのもそろそろつらい季節だ。

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改札を通る前に兵庫~和田岬の運賃の精算をしなければならない。手持ちの切符である明石までの切符ではそのままでは通れないので精算機に通す。140円を支払い、「出場証」を受け取る。これを改札に通して乗り換えをする。発行は兵庫駅なのに印字されているのが和田岬駅なのは矛盾に思われるかもしれないが、これは後述する。

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17:00、改札が開いた。自動改札に先ほどの出場証を通すが、券は出ない。しかしこれで問題はない。理由はこれも後述する。

山陽本線のホームから1段低いところにある和田岬線のホームには、既に青く塗られた103系が止まっていた。

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6両編成だが乗客は20人といったところか。*2休日なので人は少ないし、乗客も一見して同業者ばかりである。平日はかなりの混雑になるようだが面影は見当たらない。

下の画像は車内のものである。皆さんが日ごろよく乗る列車のそれと、決定的に異なる部分があるのだが、お分かりいただけるだろうか。

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車内広告が一切ないのだ。利用目的上広告を出す必要がないからである。

さてほとんど空気輸送も同然な列車は17:15、定刻に兵庫を発車。ゆっくりと工場の隙間を通っていく。

そして17:18、終着和田岬駅に到着。まずはこちらの画像を見てほしい。

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この駅、なんと改札がないのだ。ホームの柵にある扉もところどころ開いている。

そう、改札業務や切符の販売は兵庫駅で取り扱うのだ。*3途中駅がないため、必然的に乗客は兵庫~和田岬を利用することになることから、和田岬駅はホームのみの構造になっている。こうした形態の駅は珍しい。

またすぐに折返しの17:26発に乗る。切符は持っていないが、先ほどの理由から兵庫駅で降りてから切符を買うので問題はない。無論この列車も数えるほどの人しか乗っていない。

17:30、兵庫着。改札を通る前に兵庫までのきっぷを買わねばならない。*4そして買ってから30秒足らずで自動改札に吸い込まれていった。下の画像は2枚目の画像の奥を別アングルから撮ったものである。

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*1:鷹取駅

*2:乗車率は約3%程度

*3:かつては駅舎があったようだが、現在はファミリーマートになっている。画像左端。

*4:兵庫~六甲道のきっぷは既にあるので

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No.3 三江線探訪(2016/8/30)

今回は実家広島から、廃線が噂されていた*1三江線の探索を取り上げる。

高校の同級生だった北大生Tと今回は一緒に行く。彼もまた鉄道オタクである。*2

 

実家の最寄り駅からまずは広島へ*3。今回は石見川本でしかまとまった時間はなく、しかも事前の調査では現地での調達は見込めない。構内のセブンイレブンで買っていくとしよう。

第2走者:広島7:53→三次9:53 1852D

6両編成と芸備線にしては長いが途中狩留家で後ろ3両を切り離すらしい。ここまでは広島の通勤圏内なので単線にしてはかなりの本数がある。

さて、三江線は「レールの異常高温により運転見合わせ」などといった理由ですぐ運転見合わせになる。広島市内は何ともなかったが、一応運行状況を確認してみよう。

 …なんてこったい。予想の斜め上の事態である。議論の結果とりあえず三次まで行ってから考え、動いている範囲だけでも乗るということにした。

何度かJRおでかけネットを確認していると、状況は少しずつ改善されているらしい。江津までの往復ももしかしたらできるかもしれないと信じつつ…

さて三次に到着し、三江線の出発するホームに行くと、まだ列車はいない。9:57発のはずだが、やはり遅れているのだろう。

第3走者:三次9:57(10:30ごろ)→石見川本12:09(13:16ごろ) 424D

30分ほど遅れて10:30、三次を発車。乗客は一見してほとんどが同業者のようだ。

若い男2人組が各駅の駅標を撮っていた。停車するたびに身を乗り出して撮影しており、運転手が迷惑そうな表情をしていたが気にしている様子はない。それどころか唯一通過する長谷の駅標がうまく撮れなかったらしく、「長谷は『再履修』*4だな」という会話がはっきり聞こえた。どうにかしてほしいが、おそらくどうにもならないだろう。

10:58頃、式敷で交換*5。対向列車の遅れはなんと127分だ。120分以上の遅れなら運賃払い戻しの対象になるのだが…肝心の該当者はいなかった。

浜原からは徐行運転だという。30km制限がかかっているが、トンネルに入ったら加速し出るときには再減速して遅れをなるべく出さないように運転している。だが、遅れの時分は伸びる一方だ。石見川本での時間はないかもしれない。

三江線江の川に沿うように線路が敷かれているが、時に離れた時には県境の境目となっているため県が変わる。|を県境とすると

←至三次 香淀 | 作木口 江平 口羽 | 伊賀和志 | 宇津井 →至江津

このように県境がコロコロ変わっているのだ。

11:35頃、宇津井に到着。この駅はInstagramの説明の通り、集落から116段もの階段を上った先にホームがある。こうした駅は珍しいため、運転士が機転を利かせて撮影タイムを設けてくれた。2分ほどで発車。

https://www.instagram.com/p/BJt3ZdzDgEFKt_C_MGGiS2-U6op3xLEGF-qnXI0/

宇都井にて。集落から116段の階段を上がっていかなければならない。

三江線の全通は1975年と非常に新しい路線だ。*6特に浜原~口羽はその中でも最後に開通した区間のため、トンネルや高架が比較的多い。こうした意味でも三江線は独特の路線である。

時折15kmの徐行運転をしつつ、12:41頃浜原を発車し通常速度で運転。この時点で69分遅れである。しかしこれほどの遅れでも他の列車のダイヤに大きな支障をきたしていないあたり、閑散路線の程度が伺えるのだが…

粕淵から先は江の川を進行方向右側に見つつ進んでいく。*7粕淵は沿線では比較的大きな集落だが、乗降客はほとんどいない。

結局70分遅れの13:19頃、石見川本に到着。次の列車は列車番号が変わり、時刻表上も別の列車で運行されるように見えるが、実際には同じ列車である。

改札に行くと、川本町の職員であろうおじいさんがいた。本来は94分の停車時間があるので、その時間を利用した駅周辺の散策用の地図を配っている。私もいただいたが、次は定刻の発車とのことなので20分ほどしか時間はない。

そのおじいさんが大学ノートに何かを書きつけている。聞くと424Dの乗客はどこから来たのかを訪ねているらしい。やはり廃線の話が出始めた2016年春頃から客は増えているようだ。日本各地にとどまらず、ドイツやカナダなど海外からも訪れたという。

「今はこうして毎日50人ほどの客が訪れているが、これがもし廃線になったら、こんな町は見向きもされない。鉄道があっての町で、バスや車じゃ観光資源にはならない。無視されて廃れさびれるばかりだ」

確かに川本町含め、沿線に目立った観光地はない。*8とはいえ観光地ありきの鉄道ではないはずだ。まず地元住民の利用が最優先だとは思うのだが…*9

第4走者:石見川本13:43→江津14:49 426D

石見川本で十数名の学生が乗ってきた。部活帰りだろうか。しかし地元住民の利用はその程度である。川戸までに全員が降りて行った。

石見川本を出てからどうも雲行きが怪しかったが、強い雨が降ってきた。止まったら帰れないので勘弁してほしいが…

定刻に江津着。特にやることもないので、折り返しの列車を待つ。

 もはや笑えるほどの運行本数の差である。

第5走者:江津15:17→三次18:47 429D

相変わらずの雨だが定刻に発車した。

石見川本の改札を見てみると、あのおじいさんはいなかった。424D以外に石見川本での長時間停車はないので、あの統計は424Dの客のみを取っているらしい。これ以外は三江線に乗るのに困難なダイヤだからだろう。事実浜原や口羽で交換した列車は、ほとんど空気輸送に近い状態だった。危惧していた雨も治まり、ゆっくりと108.1kmをたどっていく。

行きには気が付かなかったが、駅標の一つ一つがそれぞれ違う神楽のお題目になっている。広島県の北部や島根県は神楽で知られているからだろう。また沿線には「乗って残そう!三江線」といった横断幕が目に付いた。三次のタクシー会社と協力したプランもあるようだが利用はどうなのだろうか…

定刻に三次着。

第6走者:三次18:57→広島20:49

一見して学生や地元の利用客が多い。三江線の惨状を見てしまった後だと猶更鉄道本来の目的を果たしているように感じる。

やはりこの先、三江線は厳しいだろう…と考えながら帰宅の途に就いた。

*1:旅行当時

*2:しかも北大の鉄研に入りコミケで会誌を頒布している

*3:第1、第7走者は今回は省略します。実家近くですし、書くこともないので

*4:おそらく帰りに再度撮影しなおすのでしょう

*5:約31分遅れ

*6:無論、旧国鉄の路線としてはだが

*7:三次~粕淵は何度も渡っているが、粕淵~江津はずっと江の川左岸に線路が敷かれている

*8:駅からバスで温泉、というのもなくはないが観光資源にするには不十分だろう

*9:これについてはいつか詳しく考察してみたいものです

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No.2-2 山陰探訪(2016/8/24)

このまま神戸に戻っても昼過ぎには着いてしまうので、今日は途中下車もかねて餘部鉄橋の探索を行う。

6:30の鳥取駅は思いのほか人が多かった。京都行の特急スーパーはくと1号の発車時刻が迫っていたからだろう。発車していくとまばらになった。

第1走者:鳥取6:52→浜坂7:38 1524D

倉吉始発の列車だが、乗客は数えるほどである。都会から反対方向に向かう列車だからだろう。行き違いの列車は通勤客で埋まっていた。

岩美で高校生が20人ほど乗ってきた。ジャージの刺繍から浜坂に向かうらしい。乗車時間的には20分ほどだが、岩美~浜坂は14kmもある。なかなかの長距離通学だ。幸いほぼ1時間に1本あるのでそこまでの苦労はないかもしれないが…

この列車は快速ということになっている。しかし通過する駅は1駅しかない。快速とはなんだったのか…*1

7:38、浜坂着。高校生はここで改札を抜けていった。カニが名物の町であるからだろう、ホームにカニのオブジェが置いてあった。

第2走者:浜坂8:02→餘部8:17 164D

いったん山の中やトンネルに入っては、また断崖の上を走る。鳥取城崎温泉山陰本線の車窓はそういう感じだ。

定刻に餘部着。2日目の目的、餘部鉄橋の散策を始める。次の列車まで2時間半近くあるので、ゆっくり見て回るとしよう。

さて餘部鉄橋とは、1912年に完成した鉄道橋である。詳しくは香住町観光協会のホームページ(http://kasumi-kanko.com/contentsu/amarube/amarube.html)を見てほしいが、独特の構造*2から鉄道ファンやこの地域の観光名所の1つとなっていた。しかし弊害も多く、横風に弱いこと*3、保線を頻繁に行う必要があることなどから2010年に新たに架け替えられ、古いものは一部が保存されて展望施設になっている。

https://www.instagram.com/p/BJeJoDMDo5lcNxEnf6ll63iuCYpGowSotwj14w0/

旧餘部橋梁昔はここを歩いて渡って行き来していたらしい

地上40mにあるから空の駅の名前がつけられている。先端部はこんな感じ。

https://www.instagram.com/p/BJeJxF7DZg7PBGOf37ORwTphRNvNUcfP4uSZxg0/

今でこそ柵はあるが供用時はない枕木を渡り歩く…怖くて想像もつかない

1時間ほどで一通りを見、駅の休憩所で一休みしていると、60代であろう老夫婦がきた。どうやら空の駅であるここを観光しに来たらしい。話を聞くと神戸から車で来たという。こちらの話をするとかなり驚かれていた。それもそのはずここに来るのは車で来るのが正解であって、私のように鉄道それも18きっぷでくるのは頭のおかしい部類である。事実時折観光客であろう人は来るのだが、大抵は近くの道の駅に車を停めて来ているし、何より私が餘部で降りた時も、またこれから乗る列車も2人しか乗降客はいなかった。

第3走者:餘部10:43→城崎温泉11:29 528D

意外にもこの列車は混んでいた。しかも何故か外国人が多い。何かのツアーだろうか。にしてもローカル線利用するのは考えにくいが…

トンネルと海が交互に現れる車窓だ。今は夏場だが、冬場は荒れた日本海のそばを通るのだ。景色はいいが、住みにくい土地ではあるだろう。

竹野で日本海に別れを告げ、線路は南に折れていく。

さて着いた城崎温泉駅は、びっくりするほどの人だかりだった。温泉旅館をチェックアウトし、さらに土産なりなんなりを購入して大阪方面に帰る人たちだろうか。何にしても次の列車は席が確保できるかどうかすら怪しい。

第4走者:城崎温泉11:40→和田山12:37 434M

さきほどまでの国鉄ディーゼルカーから打って変わって、223系のワンマン仕様である。どうにも違和感がある。

予想通り立ち客が出るほどの大混雑だ。どうにか4人のボックス席に座ったが、作業員のような強面の人たちとの相席である。

1駅先の玄武洞で特急の行き違いである。日本なら左側通行が基本なのは周知の事実だが、なぜか進行方向右側に停車した。どうやら理由としては付近を流れる円山川が増水した際の安全策らしいが、今日はゆったりと流れている。いまひとつ良く分からない。

豊岡で少し人がおり、それより多いくらいの高校生が乗ってきた。英単語帳片手に勉強…ではなくおしゃべりをしていた。

さて、ここから神戸に帰るには4ルートある。

1つ目はこの列車の終着である福知山からさらに山陰本線をたどり、京都から帰るルート。

2つ目は福知山から福知山線に乗り換え、福知山線を南下し尼崎に出るルート。

3つ目は2つ目の亜種で、福知山から福知山線に乗り換え、さらに谷川で乗り換えて加古川線を南下し加古川から帰るルート。

そして4つ目は和田山で乗り換え、播但線を南下し姫路に出るルート。

私は4つ目の播但線回りで帰ることにした。1~3のルートは福知山での接続があまりよくなく*4、また4つ目のルートが最短ルートになるからであり、何より京都や加古川では新快速に座れる保証がないからである。楽な方に流れたと言えば、それまでなのだが。

第5走者:和田山12:50→寺前13:42 1234D

再びディーゼルカーに戻る。沿線には「日本のマチュピチュ」として有名になった竹田城があり、この列車はそれを眺められるような観光列車スタイルになっている。車内にはパンフレットが置いてあるが、何故か英語版しかなかった。

というわけで竹田城がある進行方向右側の、窓が正面に見えるように配置された席に座る。横には髭面の外国人が座ってきた。パンフレットを取って熟読している。

しかし残念なことに、竹田城は山の上でほとんど見えなかった。何のための列車なのだろうか…

https://www.instagram.com/p/BJejlB9jbT_NdsR1GeDZMVdboCfkzYFGMOj7ik0/

1234D@和田山。40系。竹田城を車窓から見えるようにした観光列車スタイル…だが肝心の城は見えない…

2日目に入り目ぼしいのを回ったのと、右横の髭面の外国人と左隣のおそらくたまたま車内で意気投合したであろうおばさん達に挟まれたストレスからだろうか、早く帰りたいと思い始めてきた。しかし姫路までは我慢である。

生野の手前当たりでふと外をぼんやり見ていると、川の流れが進行方向に変わっていた。瀬戸内海と日本海分水嶺を超えたらしい。ゴールはもうすぐだ。

第6走者:寺前13:46→姫路14:35

ここからは電車になる。行き先も通った覚えのある場所だ。

https://www.instagram.com/p/BJeo1VoDs9-KR0bSHP-mFcjEul3iK3z1cH4Guo0/

5640M@新野。103系。だいぶ都会に近づいてきた感

福崎の南で中国自動車道をくぐり、砥堀の南では山陽自動車道をくぐる。人も多くなり、ビルも増えてきた。

定刻に姫路着。ここからはいくらでも本数はあるので、昼飯を求めて途中下車する。

 そう思うのは、私だけだろうか。昨日今日とひたすら田舎を見てきたからか一層強く感じる。

第7走者:姫路15:26→三ノ宮16:07 3488M

12両の新快速、姫路始発で相生方面からの列車もないということもあってガラガラである。いつも以上に110km/hが早く感じるのは気のせいだろうか。

明石~神戸間、特に朝霧~舞子と垂水~須磨は都心部には珍しい海沿いを走るよう路線だ。新快速はノンストップで飛ばしていくが少し惜しい気もする。

第8走者:三ノ宮16:09→六甲道16:13 794T

長かった旅もこれでラストだ。とはいえ1駅なのでどうということはないが…

*1:1駅通過程度では普通列車を名乗る列車も多い。北海道だと快速に停車駅をいくつか足したものでも「普通列車」と名乗っているのもある

*2:トレッスル橋。意味はググって

*3:1986年に転落事故が発生、住民に死亡者が出ている

*4:といっても30~40分程度だし、そこで昼飯を調達してもいいのだが