2つ目は山陰、特に東部の探索を書いていきます。2日間あるので記事も2つに分けています。
どうでもいいけど完全な一人旅としては初めての泊まりがけでの旅行でもある。
1日目は鳥取を(大回りしつつ)目指す。
第1走者:六甲道8:00→三ノ宮8:07 4443C
さて、旅はいつものように六甲道からスタート。平日の朝なので当然のように混んでいる。
第2走者:三ノ宮8:10→姫路8:51 3405M
京阪神アーバンネットワークの主力、新快速で一気に飛ばす。こちらも混んでいたが、明石で席を確保。
予定では1本後の新快速の予定だったが、家を早く出過ぎたので姫路まで先行することにした。あわよくば相生まで先行したかったが、残念ながら先行はできそうにない。姫路で待つとしよう。
ふと姫路のホームを見回していると、上り方面の列車種別は「新快速」「普通」だけである。明石まで各駅停車だからだろう。西明石を過ぎれば種別は快速となり方向幕も快速になる。*2
第3走者:姫路9:11→相生9:30 953M
姫路9:04着の新快速の乗り換え客もいるが、立ち客は少ない。逆方向ならともかく…
相生での乗り換えはわずか2分しかないがホームを挟んで向かいなので間に合わないということはない。とはいえ心配にはなるが…*3
第4走者:相生9:32→岡山10:38 1311M
首尾よく乗り継いでいるように見えるが、実際には相生から岡山までは1時間に1本しかない。*4タイムロスを防ぐには相生または姫路までの乗り継ぎを十分に考慮する必要があるのは言うまでもない。六甲道を出るのが早すぎたのでそのロスを姫路で受けた形になる。
そしてこの先は国鉄型のオンパレードだ。特に岡山車両区所属の列車は国鉄型の車両が多く、國鐵岡山なんて揶揄されるくらいである。
この列車も同様である。
1311M@岡山。115系1000番台。国鉄型車両よ永遠なれ…広島から消えかけ始めたし
岡山に着き、新幹線乗り換え口そばのセブンイレブンで昼飯とお茶を買い込む。*5岡山は「日本一隣駅の多い駅」として知られるだけあり*6、乗り鉄フリークにとっても食料を買い込む点でも重要な駅の一つと言える。
また隣駅が多いということは必然的に多くの列車を撮ることもできるのであって、撮り鉄とは言えない私もホームを渡り歩いてはカメラを構えることになるのである。いくつか写真を。
1009M@岡山。381系。宍道着は13:55、こちらの宍道着は17:36。特急は回り道しないから当たり前だけど
3123M@岡山。5000系。サラリーマン達はグリーン車へ、子供達は指定席へ。ガラガラなようで、意外と混んでいる。
37D@岡山。2000系アンパンマン列車。親子連れで写真を撮るのに混じりながら
8277D@岡山。32系。瀬戸大橋をトロッコで走るの、気持ちいいだろうな…
一通りの写真を撮り、次の列車を待っていた。ここで私は致命的な忘れ物に気が付いた。
スマホの充電ケーブルを家に置いてきてしまったのだ。これでは撮影とTwitterができないので慌てて駅構内のセブンイレブンに戻る。岡山を出る前に気づいてよかったのが救いだ。その代わりペットボトルの緑茶(未開封)を置き忘れてしまったが。
第5走者:岡山11:15→新見12:46 849M
岡山到着を1本遅らせると間に合わないので岡山で30分以上待つことにはなったが、色々あったせいで割と待つこともなく次に乗車。
倉敷からは伯備線に入り、本格的にローカル線を進んでいくことになる。
しかし倉敷を発車してすぐに止まった。前を見てみるとどうやら踏切での立ち往生らしい。単線…遅れ…うっ、頭が…*7
7分ほど遅れて再開。次の新見での乗り継ぎは15分、微妙なところだろうか。
総社を過ぎるといよいよ山の中に入っていく。高梁川沿いを進みながらののどかな風景だ。
備中高梁からは単線になり、運行本数もぐっと減る。人はさほど減っていないが…
特にどうということもないまま新見まで進むかと思いきや、方谷で高校生二人組が運転士にドヤされていた。どうやら話に夢中で降りそこなって定期券の区間外まで行ってしまったらしい。引き返すにも1時間以上待たなければいけないがまぁ罰だろう。
12:53ごろ新見に到着。ひなびた駅の雰囲気から、売店で何かという私の淡い期待は消えていった。
第6走者:新見13:01→備後落合14:25 443D
ここからはディーゼルカーになる。そして本格的に山の中を進むことになる。
どのような様子かは、走りながらなのでタイミングがズレたもののこの写真で察してほしい。
布原駅。伯備線にあるのに伯備線の列車は止まらない。そして漂う田舎駅臭。
ちなみにこの駅は伯備線にありながら伯備線の列車はすべて通過し、これから乗る芸備線の列車だけが停車する。
備中神代から伯備線と分かれて芸備線へ。周りは意外に開けているが、人の姿は見えない。
保線状況もよくなく、線路に草が生い茂っている。そのためか時折15kmで徐行したりしながら進んでいく。
ふと車内を見れば同業者ばかりだ。おそらくほとんどが宍道までは私と同じように行くのだろう。それを差し引けば地元の客はせいぜい2人といったところか。これはこの先が危うい。
東城からは広島県に入る。東城~備後落合は1日3往復とかなりの閑散路線だ。
ほとんど徐行運転が標準の状態で、一駅4kmを10分近くかけてゆっくり進んでいく。これで車に勝てと言われても無理な話だろう。廃線の未来もそう遠くはないかもしれない。
14:25、備後落合着。ここから木次線に乗り換える。とはいえ乗換駅とはいっても周辺には何もない。「乗り遅れたら野宿を覚悟してください」*8というのも、割と笑えないレベルである。
ご覧のありさまである。この時間はちょうど三方向からの列車が集中するが、それでも鉄道フリークを除けばほとんど残らないだろう。
第7走者:備後落合14:44→宍道17:36 1462D
今日の本題、木次線である。
見渡せばカメラを提げた客が多い。客層としては中高年がほとんどで、私はおそらく最年少だろう。
15:11、三井野原を出ると椅子にカバンを置き、列車の最後方の窓に張り付いた。珍しいものが見られるからである。ほかの客もカメラを構え始めた。
次の出雲坂根は日本でも数少ない三段式スイッチバックのある駅だ。具体的には下の記事を参考にしてほしいが、要は急勾配を上るためにジグザグに線路を敷いて上るのだ。*9
高速輸送には適さないが、それでもなお急勾配を上るための苦肉の策である。しかしこれが仇となり、陰陽連絡の交通手段を高速バスに奪われた木次線の未来は決して明るくはない。
またトンネルを抜けた先の奥出雲おろちループ(画像中央部)の見栄えが良いため、これを目当てに撮影に来た人もいるようだ。
行って戻って、15:26出雲坂根着。5分停車とのことなのでいったん降りてみる。
駅構内に湧き水が湧いており、飲めるらしいので飲んでみた。思ったほど冷たくはない、というのが正直な感想である。
近くの看板に書かれた伝承によればこのあたりには狸や狐が多く、寿命が100年を超えていた古狸が好んで飲んでいたことから、住人も延命水と称して飲み始めたという。
15:53、出雲横田着。行き違い相手の列車は備後落合方面の最終である。まだ日が暮れてすらいないのに…
ところで三井野原を過ぎたあたりから、神話の国出雲らしく各駅に神々の伝説を記したプレートがある。
そろばんで知られる雲南のあたりは木造のどっしりと構えた駅舎が多い。車窓はやや単調ではあるが駅は飽きない。
17:36、宍道着。大半の同業者は翌日の三江線に乗るためか、出雲市方面のホームに固まっている。*10
第8走者:宍道17:40→米子18:44
ここからは山陰本線へ、進路を東に取る。薄暗い車窓からは宍道湖が見える。
この辺りは特急も多く走っているため行き違いや通過待ちが多い。
松江で部活帰りだろう高校生や通勤帰りの客で満員になった。すっかり今日が平日だということを忘れていた。
定刻に米子着。30分ほど時間があるので夕飯を調達する。構内の食堂はギリギリでオーダーストップだったので、とりあえず駅前へ。イオンを見つけ、いったんは向かったが時間的に厳しいので引き返し、構内のセブンイレブンで弁当を購入。車内で食べるとしよう。
第9走者:米子19:13→鳥取21:33
…なんてこった、満員じゃないか!
どうやら高校生の帰宅時間らしい。温めてもらったが意味はなかったようである。
昼間なら伯耆富士大山が見えるはずだがもう見えない。暗闇の中を進んでいく。
赤碕で席が空いた。微妙に温かいビーフカレーを食する。ゴミは駅で止まったら捨てればいいだろう。
しかし食べ終わるとやることがない。2時間20分が随分と長く感じる。
途中倉吉にて、コナンがラッピングされた車両と行き違い。原作者青山剛昌の出身だからである。*11
米子で時間があれば境港線の鬼太郎列車*12も撮りたかったが、こちらは断念。
261D@倉吉。120系。米子で撮影できなかった鬼太郎列車の代わり。
21:33、鳥取着。駅近くのビジネスホテルに投宿。1日目終了。